寄付・私募債等の複合的なファンドレイジングを実践

認定NPO法人ぱれっと

都道府県 :東京都
活動分野 :障がい者支援
財政規模 :約1億円 (2014年度)
認定/仮認定取得 :2013年7月
団体ホームページ :http://www.npo-palette.or.jp/
インタビューご対応:事務局長 南山 達郎さん

認定取得の経緯

2010年頃から認定の申請を検討していました。しかし、当時は株式会社でレストラン事業を行っており、その株式会社とNPO法人で役員が一部重複していたため認定基準に抵触。申請を断念しました。それらの基準を解決し、申請を行って2013年に認定NPO法人となりました。

 

認定NPO法人になることの狙いは、新規の寄付者の開拓はもちろんですが、それ以上に今のステークホルダー・関係者に何かしら恩恵を与えたかったということが大きいです。また、寄付を下さる方から「社会福祉法人と同等の寄付税制があると、さらに支援がしやすくなる」という声を頂いたことも、認定取得を意識するきっかけとなりました。加えて、認定取得の際に組織運営について厳しく問われ、それをクリアすることによって、対内的コンプライアンスと、対外的信用度の向上を目指せるという効果も期待しました。また、外資系の企業の場合、まずは社員がボランティアとして活動し、その後その社員が社内に寄付や助成の推薦を行い、決裁が下りてから寄付が来る、ということがあります。こうした企業の場合は当然寄付金控除のことも聞かれますので、これも認定取得を目指すことにつながりました。

 

結果的に認定を無事に取得できましたが、審査の中で、賛助会員をPST(パブリックサポートテスト)の寄付者に含めることができないということが判明しました。賛助会員には、お礼として、販売しているお菓子を1割引しており、これが「対価性がある」と判断され、寄付者に加えられませんでした。認定取得後、すぐに定款を変更し、賛助会員にはこうした割引を止め、寄付金控除も適用されるように寄付扱いできる会費にしています。

 

最近の寄付の分析

認定取得を機会に、寄付者の分析を行いました。個人の寄付で件数として一番多いパターンは、会費を払う際に同時に寄付をするというもの。会費に上乗せする形で寄付をいただきます。福祉系の団体の場合、直接的な利益を享受する人がどうしても利用者に偏ってしまうイメージがあり、寄付者も利用者の関係者が中心となっています。

 

企業からの寄付の場合は、最近はマッチング寄付が増えている印象を受けます。私たちの場合は土地柄もあり、企業からの寄付は大手や外資系からが中心になっています。こうした企業からの寄付金では、助成金的な性格のものとして、就労支援の雇用拡大のための投資に使えるお金を頂くこともあります。公的な就労支援の制度事業では利用実績に応じて後から費用が支払われますが、一方で職域開発によって、仕事を創造しないと新たに障がいを持った方を雇うことが難しくなります。ですので、投資、特に初期の事業開発の人件費に使えるお金を得ることは私たちにとって非常に重要です。

 

複合的なファンドレイジング

この度、新規でグループホームを建設することになりました。これまで行ってきた作業所や事務所なども合わせた建物で、1億円は公的な補助が入りますが、渋谷という土地柄、当然それ以上に経費がかかります。管理費や初期の人件費なども持ち出しにせざるを得ません。これに向けて、西武信用金庫の融資で3,000万円、擬似私募債で1,300万円、寄付金で1,000万円を集めることを計画しています。すでに私募債は目標金額を達成し、寄付も2015年12月段階で450万円集まりました。寄付金の状況は隔月で発行している団体の通信にも載せており、寄付者や寄付を検討している方に呼びかけを行うようにしています。こうした補助金で賄えない部分を、融資や私募債、寄付など、複合的なファンドレイジングを活用して資金を集め、様々な手法を用いて資金調達を行っています。

 

この度、新規でグループホームを建設することになりました。これまで行ってきた作業所や事務所なども合わせた建物で、1億円は公的な補助が入りますが、渋谷という土地柄、当然それ以上に経費がかかります。管理費や初期の人件費なども持ち出しにせざるを得ません。これに向けて、西武信用金庫の融資で3,000万円、擬似私募債で1,300万円、寄付金で1,000万円を集めることを計画しています。すでに私募債は目標金額を達成し、寄付も2015年12月段階で450万円集まりました。寄付金の状況は隔月で発行している団体の通信にも載せており、寄付者や寄付を検討している方に呼びかけを行うようにしています。こうした補助金で賄えない部分を、融資や私募債、寄付など、複合的なファンドレイジングを活用して資金を集め、様々な手法を用いて資金調達を行っています。