▼「みなし寄付金」制度を活用しよう(1)

~事業型NPOを応援する制度のかたち


わたしたちのメインである児童館の運営を支えるために、
子供向けの絵本やお菓子を地域で売りたいんですよ!!
寄付や助成金だけでまかなうんじゃなくて、
うちにはお金のとれる商品があるんです!

 


寄付してくださる支援者の税制が優遇される制度が
どんどん整ってきているわけですよね。
寄付が多い団体のほうが有利なんですかね…
うちは利用者さんからの事業収益がメインなんですけど
 

【収益事業】をもつ認定NPO法人のために、

法人税の税制優遇として
「みなし寄付金」という制度があるのです!
事業型NPOにこそ、ぜひ!認定NPO法人を取得し、優遇税制をもっともっと活用してほしい!と考えているのです。

「みなし寄付金」制度は、仮認定NPO法人には認められていません。

認定NPO法人制度 最大のポイントは、
「制度の活用で、寄付者が優遇され、より寄付をしやすい社会をつくる」
「より寄付を集めやすい、支援者を募りやすい団体になれる」
ことにあります。

 

しかし、近年、いわゆる
「事業型NPO」
と呼ばれる団体も、日本各地でたくさん活躍しています。
「ソーシャルビジネス」「コミュニティビジネス」
と呼ばれる活動が増えてきていますよね。
それらの多くは「NPO法人」なのです。

寄付金や会費だけなく、事業収益で収入の一部、もしくは大部分を賄っているNPOは、決して珍しくはありません。

 
これら「事業型NPO」にとっては、認定NPO法人をとりまく寄付税制は、どうしても
「寄付金や会費を収入のメインにしている団体よりも、

 意味が薄い、メリットが少ないのではないだろうか…」
そんな制度に見えてしまう事もあるかもしれません。

 
が、そんなことはありません。
認定NPO法人制度は、寄付型NPO、事業型NPO、ともに
地域社会を支える大切なパートナーとして応援してくれています。

「みなし寄付金制度」

には、そんな願い、思い、が込められています。

事業型NPOにとっても認定制度による優遇税制がある!

「みなし寄付金制度」とは、

事業収益のある認定NPO法人に対して課される

【法人税】に対する軽減措置です。

認定NPO法人が法人税法上の「収益事業」を行っている場合、
 ・「収益事業」に属する資産

のうちから、
 ・「非収益事業」のために支出した金額

を、
「収益事業」から「非収益事業」への寄付金とみなして【損金算入】

を認めるものです。

 認定NPO法人の【損金算入限度額】

||

「所得の50%」 or 「200万円」 のいずれか高い方 

 

※詳しくは次ページで解説してまいります!

平成24年4月の制度改正によって、損金算入限度額の引上げが行われました。
メリットがより大きくなったことで、
制度面でも、事業型NPOへの後押しは進んでいると言えますね!

 

※ 認定取得の時期によって本制度の概要が異なります。

平成24年3月以前:NPO法改正前に「国税庁より認定を受けた」認定NPO法人 
   → 損金算入限度額は 所得金額の20% まで
平成24年4月以後:改正NPO法の施行後「各所轄庁」に認定を受けた 認定NPO法人
   →  損金算入限度額は「所得の50%」か「200万円」のいずれか高い方(現行法)

NPOがビジネスをする社会、NPOの商品が選ばれる社会へ

どうしても、「事業収益をあげていくこと」に及び腰であるNPOの方々もまだまだ多いように感じられます。
しかし、収益構造に差異があっても、地域のために、社会のために有意義な活動をしているのなら、同じように評価されるべきではないでしょうか。

それぞれの団体にはそれぞれのスタイルがあります。


地域社会に必要とされるサービスであるならば、
それを望む方々がいらっしゃるのであれば、

胸を張ってサービスを提供していただきたいのです!

 
NPOならではの「社会を良くする」「地域を豊かにする」視点で、多くの製品やサービスを市場に創出していただきたいのです!

事業の収益が、そのまま地域社会のチカラになるのなら、それを動機に商品を選んでくれる方もいらっしゃるかもしれません。
NPOの商品を購入すること、サービスを利用することで

 「向こう側にいる誰かを支える」

ことになっている、そういう商品やサービスが、もっともっと市場に増えていくことで、社会が豊かになっていく、オモシロくなっていく、のではないでしょうか。
 

次ページでは、モデルケースをもとに、
どのような団体がどれくらい優遇を受けられるのか、を見ていきましょう!
 

→次頁 
■「みなし寄付金」制度を活用しよう(2)
~モデルケースでみる みなし寄付金のメリット